長女の方などが亡くなった親の家を相続し、遺品整理を行う場面は、多くの場合、心身ともに大きなストレスを伴います。
賃貸物件でも同様に、退去に伴う手続きが必要となり、その過程で大きな気持ちの負担や悲しみを感じることが多いです。
特に、葬儀を終え親が亡くなった直後という感情が生々しい時期には、生前はあまり価値を感じなかった父母の衣類など、目の前に遺品として現れると、それに新たな感情的な価値や思い出が結びつくことがあります。
そのため、感情的に捨てられないことも多く、整理が進まない原因となることがあります。
この繊細な時期には、昔の思い出が鮮明によみがえり、懐かしさや悲しみ、つらさなどの複雑な感情が交錯します。
そして、遺品整理が進まない主な理由として挙げられるのは、「悲しい気持ちの整理がつかないこと、何を残しておくべきかの判断が難しいこと、親の遺品を処分する行為に対する罪悪感や捨てられないという思い」です。
そのため、着手する時期を先延ばしにされる方も多いです。
当ブログでは、そういった心の整理がつかない方へ、捨てられないつらい気持ちや悲しみを軽減し、気持ちの負担を少なくする対処法と具体的な対策をご紹介します。
母親の遺品整理がつらい・悲しい
以前、ブログで取り上げたことがありますが、「賃貸物件を引き上げることになったので、母が住んでいた部屋を片付け、家具や家電も処分してください」と、遺品をひとりで整理されていた娘さんからご連絡を頂きました。
アパートに伺うと2DKの部屋は、綺麗に掃除が行き届き「掃除業者」が入ったようにぴかぴかの部屋でした。
40代の娘さんは結婚後に、母親が住んでいるアパートの近くに引越しをしてきたと伺いました。
見積りに伺った部屋は、お母さまが亡くなって2年間の月日が経っていました。
部屋が綺麗だったのは、亡くなった母親の部屋の遺品整理がつらいので、気持ちが落ち着くまでそのままにしておきたいという気持ちからでした。
奥様の気持ちを理解し、ご主人が2年間家賃を支払い続け、その費用を負担されていたとのことでした。
遺品整理ができない・母の着物と衣類が捨てられない
ご相談ただいた長女の方は、母親の衣類を整理し、仕分けしていたときに、大変悲しい気持ちに襲われたとおっしゃいました。
その後も、時間が経過しても、母親の部屋に入ると、遺品整理がつらく出来ないという気持ちが続き、精神的に大変つらい状況だったことが伺えました。
そういった時期が続いていたので、ご主人から業者に相談することを勧められたそうです。
このように、遺品整理には非常に感情的な負担が伴います。家族を失った悲しみや喪失感が、特定時期の遺品整理中に再び襲いかかってくることが多いからです。
親が亡くなってから、そのままにしておく方のケースは、持ち家では多いのですが、家賃が関係する賃貸物件でも、遺品整理が出来ない、直ぐにはしたくないため、部屋をそのままにされる遺族の方は、意外と多いです。
亡くなった人の衣類 処分時期はいつ?
私たちのサービスに関する問合わせやご相談の中で、「亡くなった親の衣類を整理・処分する時期はいつ頃でしょうか?」という質問をよく頂きます。
その理由は、遺品整理の進行に伴い、ご両親との最後の別れを実感する深い感情が増すため、他の方がいつ頃行っているのか、適切な時期を知りたいというご遺族が多いからです。
遺品整理、特に故人の衣類の処分に関しては、「最適な」時期や「一定の」タイミングというものは一概に定められません。
これは、遺品整理の開始時期が個人の感情や状況、家族間の調整、さらには故人の最終的な意向など、多種多様な要因によって左右されるためです。
それでも、社会的な慣習などの理由から、多くの方々が四十九日後、百日法要、あるいは一周忌といった節目を整理や処分の時期として考えます。
このような時期には、法要が行われ、親族や友人が集う機会が多くなります。
その際、故人の衣類を整理することは、故人を偲び、その生涯を讃えつつ、供養の一環として行われることも一般的です。
さらに、法要を終えてから衣類を整理・処分することで、心理的な区切りをつける意味合いもあります。
この特定の時期に過程を経ることにより、遺品整理自体にも前向きに取り組むことが可能になることが多いです。
大切な人の衣類を残す遺品整理の方法
ただ、亡くなった方の衣類の処分時期が分かったとしても、遺品整理が心情的に辛いため、亡くなった母の衣類をやはり捨てることができないという方も少なくありません。
その場合は無理に進めず、次の方法をご参考ください。
● 思い出の品を手放すことは、非常に辛い決断です。
それでも、遺品整理を行う時期には、どうしても手放さなければならない場合があります。
その時期では、普段なら気が付くようなことも、心に余裕がないために忘れがちです。
ここで大切なのは、思い出の品を手放す前に、それらを写真やアルバムに収め、記録しておくことです。
例えば、母が愛用していた洋服であれば、それを着た写真を撮ることで、その洋服がどんな場面で使われていたのか、母の思い出やエピソードを記録することができます。
● 次に、長年にわたって遺品整理業者として多くの遺族と向き合ってきた経験から分かった3つをご紹介します。
1.母親の着物の洋服をリメイクして保管する。
こちらの方法はおすすめです。着る機会がない洋服もリメイクすることによって、大切な思い出を残しつつ、新しい形で使うこともできます。形見分けとして、家族や親しい人に分けることもできます。
インターネットで「着物リメイク・洋服リメイク」と検索すると多くのサイトが出てきます。
着物の場合は、着物を分解して、帯や小物などにリメイクすることもできます。
帯は、バッグや小物入れ、リボンやヘアアクセサリーにもなります。また、着物の柄を生かして、クッションカバーやテーブルランナーなど、家庭用の小物にもなります。小物にリメイクしたり、バックにリメイクする方法です。
手元に残すだけでなく、形見分けとして親しい人に渡すことで、生前の故人との思い出を共有することもできます。
2.寄贈
リサイクルショップに持っていったけれど、「二束三文」の費用を伝えられ、結局持ち帰ってしまった経験はありませんか?
売却すること自体が目的ではなかったため、愛する親の衣類がひどく低い価値で見積もられてしまうと、なんとも悲しい気持ちになってしまいます。
これに対して「寄贈」は、両親が身に着けていた衣類が引き継がれることになります。
まずは身近な人に声をかけてはどうでしょうか。
親族や友人、あるいは母親の知人など、母親が親しくしていた人に声をかける事で、母親の衣服を引き継いでくれる方を見つけることが出来るかもしれません。
母親が所有していた衣服に愛着を持っているかもしれませんし、そうでなくても、思い出に残るものを手元に残したいと思っているかもしれません。
また、寄贈先としては福祉施設などもあります。
捨てられない思い出の品を誰かに引き継いでもらうことで、その品が新たな意味を持つこともあります。
3.一時的に保管
最終手段としては、レンタル倉庫などを借りて保管するケースです。当店でも、遺族からレンタル倉庫内の処分依頼を受けることがありますが、その多くは故人の衣類などを捨てられないため、一時的に保管していたとのことです。
ただし、これはあくまで最終手段と考えてください。
長期間借りることもあり、経済的な負担も大きいです。
また、保管時期が延びることで、悲しい思いや感情的な負担が増してしまいます。
倉庫で保管している時期が長ければ長いほど、手放す勇気が出ないまま、何も出来なくなる可能性もあります。
レンタル倉庫は、最終手段としての利用にとどめ、無理をせずに自分にとってベストな方法を選ぶようにしてください。
それには一人で抱え込まずに、周囲の人々に相談し、一緒に進める事が大切です。
亡くなった人の服を処分する際の注意点
もし、これまでの残す方法ではなく処分することを決めた際にはご注意して頂きたいことがあります。衣類の整理時には、忘れずポケットの中身を確認するようにしてください。
女性は一般的に男性よりもポケットに現金などを入れることが少ないものの、特に認知症が始まった初期の時期には、ポケットに物をしまうことがあるのです。
実際、私たちの経験では、あるお客様が「母は普段バッグに物を入れるのが習慣でしたが、認知症が進行し、その習慣を忘れてしまった時期があった」と話していました。
そのような理由から、ポケットの中に現金、貴金属、印鑑、大切な書類などの貴重品が忘れられていることは案外多いです。
特にジャケットやズボンのポケットに貴重品が入っていたという事例はよく見受けられます。
また、一部の衣類は、見つけにくい場所にポケットが設けられていることもありますので、細部まで注意深くチェックすることをお勧めします。
遺品整理の際の衣類の処分先
1.市区町村の規定に基づき、一般ゴミとして回収
遺品の衣類をリメイク・寄贈・親族譲る等以外では、「燃えるゴミや資源ゴミとして、自治体による回収が可能です。」ただし、地域や市町村により、その処理の具体的な手順やルールは異なることがあります。
例えば、一部の地域では、一度に出すことができる衣類の量に制限があることがあります。これは、各自治体がその地域の回収目安を決めていることがあるため、地域ごとに制限していることが多いからです。
そのため、大量の衣類を一度に処分する予定の場合は、自治体のホームページや、直接自治体に問い合わせることで、正確な情報を得ることが可能です。
2.寄付
寄付とは、主に発展途上国など海外の団体に対して行う活動です。
寄贈と同じように思えますが、寄贈は主に友人、知人、または国内の福祉施設等に対して行うことが多い一方で、寄付は海外の団体まで含みます。
寄付先の団体がどのような物を取り扱っているのか、事前に確認してみてください。
また、寄付可能なアイテムは衣類だけではありません。多くの団体はタオルや毛布といった日用品及び文房具・衛生用品等の寄付も受け入れています。
そのため、遺品整理の際にはこれらのアイテムも寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
3.専門の遺品整理業者への依頼
親が生涯を通じて身に着けていた大切な品々を手放す際には、安心感がある業者に任せることも選択の1つです。
遺品整理を専門に行っている業者は、遺品の扱い方のコツと適切な処分方法についての専門的な知識と経験を持っています。その経験と知識を活用し、大切な遺品を適切に処理することを支援してくれます。
そのため、大切な遺品を信頼できる業者に託すことは、遺品整理の過程をスムーズに進め、敬意を持って最後のお別れをする一つの方法となります。
心の負担を軽く、遺品整理の方法とコツ
長年、遺品整理業者として多くのご遺族と接してきた私たちは、思い出の品を手放すことが本当に悲しく、乗り越えがたいことを深く理解しています。
家族と共に過ごした思い出の品が、一つ一つが大切な思い出を伝えるものであるため、それらを手放すことは決して容易なことではありません。
そのため、特定の時期に遺品整理を行う際には、遺品の整理が進まずに時間がかかりすぎてしまうことがあります。
そこで、遺品整理を少しでもスムーズに、そして心の負担を軽減し、悲しみを乗り越えるために、以下の3つに注意しながら進めていくことをお勧めします。
遺品整理を進める際の3つのポイント
遺品整理は、故人との別れと向き合う辛い作業です。
そして、一人で行うと、遺品にまつわる思い出や感情が込み上げてくることが多いです。そのため、進める際には大切な3つのポイントがあります。
できるだけ一人で抱え込まない
この記事を書いている店長の内藤は、これまで2150件以上の作業に携わってきました。多くのお客様が、親御さん、夫や妻の整理をひとりで行おうとする際、進まなくなってしまうことがあるとお聞きしました。
特に、誰もいない部屋でご両親の衣類や思い出の品を目にすると、さまざまな感情がよみがえり、悲しみで手が止まってしまうことが多いからです。
そのため、実家に戻る際には身内の方「まわりにいる方と一緒に」、部屋に入るようにしてください。
親族・家族・友人が、一緒にいることで、気持ちを共有することができ、遺品整理を行う上での支えにもなってくれます。
遺品整理が辛くできなかった方の多くは「ひとりで実家」の遺品整理を行おうとしていた方々なので、必ず誰かと一緒に、部屋に入るよう心がけてください。
時間をかけて進める
遺品整理は、亡くなった方との別れを実感しながら進めるため、一日で完了するような作業ではなく、数日、数週間、あるいは数か月にわたることもあります。
自分の感情に寄り添いながら、自分のペースで進められるように、時間をかけて進めるようにしましょう。
自分にとって良いと感じるペースで進め、負担を感じたときは、一旦作業を中断することも必要です。
また、遺品整理の初日の日は、出来るだけお天気がいい日をお勧めします。
雨の日に窓を開けると湿気も入ってきますし、気持的にモチベーションが下がってしまうからです。
プロの手を借りる選択肢
遺品整理をする際に「自分たちで行うべきか、それとも業者に任せたほうが良いのか?」と迷うことは、多くの方が直面する問題です。
遺品整理は、遺族にとって大変な負担となることが多いので、感情的なつらさや物の多さから、なかなか取り掛かれない方が多いからです。
このような状況では、業者に任せる選択もある事を知っておいてください。一方で、業者に任せることで、親に対して罪悪感を抱くこともあるかもしれません。
ただ、遺品整理は、遺族が思っている以上に時間がかかる作業です。
そして、感情的な負担だけでなく、肉体的な負担も大きいです。そのため、専門家に依頼する選択肢が存在します。
特に「遠方に住んでいたり、量が膨大なので自力では難しい」場合は、一つの選択肢として考えても良いと思います。
プロの業者は、ご遺族のつらいお気持ちを理解し、寄り添いながら整理作業を進めていきます。プロの力を借りることで、気持ちの負担を軽減しつつ、適切に整理を進められるかもしれません。
まとめ:気持ちの負担を解決する秘訣
亡くなったお母様の服を捨てられず、遺品整理がつらいと感じるのは、懐かしい思い出が鮮明に蘇り胸にこみ上げてくるからだと思います。そのため、無理に進める必要はありません。母親の着物や洋服をリメイクして残す方法や、整理する際には一人で抱えずに必ず誰かと一緒に整理することなどをご紹介しました。
自力で難しいと感じる場合は、業者に依頼する選択もあります。大切なのは「けして一人で悩まない」よう、家族・親族など誰かの手を借りることも考えてください。
これまでお伝えしたことが、皆様の気持ちを少しでも和らげることになれば本当に嬉しいです。
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