神棚処分の方法について解説 – 捨て方と注意点を遺品整理業者が紹介

遺品整理の際に、神棚の処分を依頼されることがよくあります。
埼玉県さいたま市の業者が、神棚の捨て方や処分方法について、詳しく解説します。

無料で行える方法や神社での処分の際の費用相場、料金、自治体のごみ出し、神具やお供え物、お飾りの扱いについて、注意点や相場を含めてご紹介します。
また、質問頂くことがあるお札(お神札)とお焚き上げについてもお伝えします。

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神棚処分の主な4つの方法

神棚を処分する際の主な4つの方法をご紹介します。

神棚の処分には、神社に持ち込む方法、神棚を扱う業者に料金を支払って依頼する方法、遺品整理業者に依頼する方法、そして自治体のごみ収集を利用する方法があります。

それぞれの方法について詳しく解説しますので、ご自身の状況に最も適した方法を選ぶ際の参考にしてください。

家庭の神棚

神社

処分方法の一つ目は、神社に持ち込む方があります。

一般的なのは年末年始に行われる伝統行事「どんど焼き」の際に神様を祀る神棚やお札、破魔矢、しめ縄、正月飾りを持ち込むケースです。(神社によっては郵送可能な場合もあります。)

また、神棚に魂入れをしている場合は、「お焚き上げや魂抜き」と呼ばれる儀式を通じ神主が神棚を供養します。

当店はこれまで、23年以上遺品整理を行ってきましたが、「お焚き上げや魂抜き」が必要だったのは、過去に2件だけでした。

1つは、新築の際に設置して魂入れをしたケース、もう1件は大きな商売をしていた実家でやはり魂入れをしたと伺ったケースです。

ただし、殆どのケースでは魂入れの儀式をしておらず「神様」が宿っていないと考えられる場合は、お焚き上げは必要なく、ごみとして処分しても問題はありません。

神棚の専門業者に処分を依頼

気持ち的にゴミとして捨てることに抵抗がある場合は、神棚の専門業者に料金を支払って回収・処分を依頼する方法もあります。

よくあるのは、買い替えに合わせ、古い状態の神棚を収集してもらうケースです。特に、大きい神棚や特殊な材質のものなど、自分では処理や運搬が無理な状況が発生した場合は、専門業者に連絡して取りにきてもらうのも一つの選択肢です。

ただ、買い替えの場合と、処分だけの場合は料金が違うことが多いため、事前に業者に料金の見積もりを依頼することをお勧めします。

遺品整理業者

意外に思われる方も多いのですが、遺品整理業者も神棚の処分を行っています。
その理由は、実家の遺品整理の際に神棚やお札があった場合に、業者に依頼いただく事が多いからです。

先程お伝えしたように、神棚に「魂入れ」がなければ、遺族のご希望を聞いたうえでごみとして処分しても問題ありません。

その一方で、「神社に持って行ってお焚き上げなどの相談をしてもらいたい」ご依頼があれば、神棚を神社の社務所に、またお札やお守りを「古札納所」に代行して持ち込むことも可能です。(※業者によって異なります。)

また、遺品整理業者は地域の神社や専門業者と連携していることがあるため、代行を依頼する際にもスムーズに処分手続きを進めることができます。

自治体のごみ出し

自治体のごみ収集日に神棚を出す方法もあります。ただし、この方法は各地域によって不用品の取り扱いや対象品目が異なるため、事前に自治体の正しいルールやその内容を確認する必要があります。

一部の自治体では、神棚を大型ごみ、いわゆる粗大ごみとして扱い、特別な処理が必要になる場合もあります。
このような場合、自治体が指定する通りに、料金を支払って粗大ゴミ・不用品回収サービスを利用する方法も考えられます。

さらに、自治体によってはクリーンセンターなどに持ち込みができるケースもあります。

ただし、お札(神札)については、授かった神社返納します。不用品として扱わないように注意しましょう。

処分の際のポイント

先程お伝えしたように、神棚に「魂入れ」をするケースはです。もし神社に持ち込まない場合は、遺品整理業者に依頼することも一つの方法です。

遺品整理の一環として処分する際には、お供えや飾りも無料で対応してくれることも多いので、確認されることをおすすめします。
業者は神棚を代行して神社の社務所まで持参したり、お札を近くの神社に持って行ってくれることもあります。

それでは次に、神棚の処分にかかる料金について解説します。

神棚の処分の料金と費用相場の目安

まずは、神社の「どんど焼き」に神棚を持ち込む場合、2000円から5000円程度の料金がかかることが一般的です。

神社

また、神社で祈祷や「お焚き上げ」を依頼する場合、祈祷料は5000円から10000円、お焚き上げの料金は5000円から数万円に上ることがあります。

場合によっては、神棚・仏壇仏具の販売店に依頼すると、10000円から50000円程度の料金がかかります。一方で、遺品整理業者に依頼する場合、遺品整理を請け負った場合は無料で処分してもらえることが多いです。

最後に、各自治体のごみ収集日に出す方法もあり、こちらは無料で処分できます。それぞれの方法の費用を比較しながら、ご自身の状況に最適な方法を選びましょう。

処分方法 料金と費用相場の目安
神社のどんど焼きに持ち込む 2000円~5000円(料金は神社によって異なります。)
神社で祈祷・お焚き上げ依頼 祈祷 5000円~10000円 お焚き上げ 5000円~数万円
神棚・仏壇仏具の販売店 10000円~50000円(料金はサイズによって異なります。)
遺品整理業者 無料(遺品の整理を請け負った場合です。)
自治体のごみ収集日に出す 無料(ただし、大きさによって粗大ゴミとなることがあります。その際は料金を支払って不用品収集サービスを利用。)

神棚処分のタイミングとは?

神棚を処分するタイミングは様々ですが、特に遺品整理や生前整理、引っ越し、家のリフォーム、そして人生の節目で気分を一新したいときなどが一般的です。

以下では、具体的なタイミングとその理由について詳しく解説します。

遺品整理で実家を片付けるタイミング

遺品整理で実家を片付ける際に処分を検討することがよくあります。実家で大切にしていた神棚は、故人の意向を尊重しながら適切に処分することが大切です。

業者に依頼することで、他の遺品と一緒に効率的に整理し処分もスムーズに行えます。故人の意思を尊重しつつ、ご遺族が安心して整理を進められるよう、信頼できる業者に任せると安心です。

生前整理で部屋を明渡す時期に

生前整理の一環として神棚を処分することもあります。特に、ご高齢の方が施設に入居するために部屋を明渡す際や、自宅を売却する際には、神棚の処分が必要になることが多いです。

このような場合も、生前整理を扱う遺品整理業者に依頼することで、適切な手順で神棚を処分することができます。

また、生前整理は自身の意志で行うため、処分方法についてじっくりと考え、最適な方法を選ぶことができます。

引っ越し・家のリフォームの際に

引っ越しや家のリフォームを行う際にも、神棚の処分が必要になることがあります。

新しい住居に神棚を設置しない場合や、リフォームによってスペースが変更される場合は、処分するタイミングとなることがあります。

また、リフォームの際に神棚を処分せずに家電や家具とともに移動することもあります。

リフォームイメージ、神棚移動

その際には、水回り(トイレ)や、人が通ることが多い廊下などは避けた方が無難と言われています。

人生の節目や古くなったので買い替える

人生の節目や神棚が古くなったために、5年~10年くらいで交換して買い替える際の処分ケースです。新しい神棚を迎える際には、古い神棚を適切に処分することで、良い気を保ち続けることができます。

また、伊勢神宮の20年に一度の式年遷宮のタイミングで買い替えられる方もいます。

いずれにせよ、買い替えの場合は、処分のみを依頼するよりも料金が抑えられることが多いです。

宗教的な背景を踏まえ、購入先の販売店に相談して、処分方法を確認するのも一つの方法です。

ただし、一部の販売店では処分のみの取り扱いを行っていない場合があって、処分が難しいこともありますので、料金のことを含め事前に確認しておくことをおすすめします。
 

神棚の正しい処分とお札の注意点

神棚の処分にはいくつかの注意点があります。これらのポイントを守ることで、神棚やお札を適切に扱うことができます。以下では、具体的な注意点について詳しく説明します。

お札は必ず返すこと

お札は、授かった神社に返納します。ただ、実家にあってどこで授かったか分からない場合は、別の神社でも返せます。神社内に「古札納所」という場所があり、そこにお札を返すことができます。

魂入れの儀式を行った場合

神棚本体には魂が宿らないという考え方が一般的ですが、購入時や設置時に魂入れの儀式を行っている場合は、その魂を抜くための祈祷(魂抜きの儀式)も必要になります。

前に述べましたが、魂入れの儀式を行った神棚をそのまま廃棄するのは避け、まず神社で魂抜きの儀式を行い、その後でお焚き上げなどの処分を依頼しましょう。このような手順を踏むことで敬意を持って処分することができます。

処分後の感謝の気持ち

神棚を処分した後も、これまで大切にしてきたことへの感謝の気持ちを忘れないことが大切です。使用していた場所を清掃し、お塩で清め、新しく神棚を迎える際にも、感謝の意を表しましょう。

また、処分後も定期的に神社を訪れ、お参りを続けることで、心の平安を保つことができます。

神棚の神具処分について解説

神具の処分は、神棚本体の処分と同様に、丁寧に行うことが大切です。

神具には、神様と私たちをつなぐ役割があり、感謝の気持ちを持って処分することが望ましいとされています。

お札以外の神具の処分方法

神具は陶器や金属でできており、燃えないためどんど焼きで処分できません。神社は基本的にお札・お守りを返すところですが、神鏡、陶器・金属類などは、神社によっては引き取り可能な場合もあります。神社を利用する際には、まずはお近くの神社にご相談ください。

神具

それ以外では、神棚販売店に依頼するか、ご自身で行う際には塩で清めた後に自治体のごみとして処分する方法もあります。お供えやお飾りも同様に清めてから処分してください。

神棚に祀った榊も塩で清め白紙に包んで捨てるというのが一般的に推奨される処分方法とされています。

まとめ : 神棚の件でよくある質問

遺品整理の際に遺族の方からよくある質問をこちらでご紹介します。古い神棚を適切に処分するためには、いくつかの重要なポイントを理解する必要があります。

以下では、処分する前に確認すべきこと、費用を抑える方法、処分に適した日、地域ごとの違い、そして処分の際の注意点について詳しく解説します。

神棚処分の料金を抑える方法

神棚処分の料金を抑える方法はいくつかあります。まず、魂入れの儀式が行われていない場合、自治体のゴミ出し(木材の可燃ごみ)でだすことが可能です。

神社内のお札を返す場所

ただし、お札は必ず神社に返す必要があり、神棚と混同しないように注意しましょう。

遺品整理や片付けの際に業者に相談するのも一つの方法です。追加料金なしで処分してくれることが多いです。

お札をいただいた神社がわかりません

実家の遺品整理でお札がありますが、遺族の方がどこで授かったお札か分からないことが多いです。
本来は頂いた神社の古札納所に納めるものですが、神社に相談すると返納できることが多くあります。ただし、神観念が違うお寺や宗教などの場合は、神社ではなくお寺などに返納する必要があります。

冷蔵庫の上に神棚を置く理由

遺品整理の際に冷蔵庫の上に神棚があることもあります。その理由は、食べ物を保管する場所である冷蔵庫は、神様にとっても大切な場所と考えられているからです。

処分に適した日はありますか?

神棚を処分する際には、一般的に大安や吉日とされる日を選ぶと良いと言われています。これらの日は縁起が良く、新しい始まりに適しています。また、処分は午前中に行うのが一般的です。

汚れをとった後に、午前中に行うことで、一日の始まりとともに良い運気を取り込むとされています。

神棚処分の注意点まとめ

神棚の処分は神道の伝統に基づき、敬意を込めて行うことが重要です。
魂入れがなければ、可燃ゴミとして出すことができますが、その際にはお供え物やお飾りも塩で清めた後に出すのが作法とされています。

処分には手間がかかりますが、詳細な手順を確認しながら行うことが大切です。掃除や塩での清めも忘れずに行いましょう。

多くの人々が処分に抵抗を感じることも理解できますが、適切な方法で行うことで、感謝の気持ちを込めて処分することができます。

最後に、神棚・神具・お札について、これまでお伝えしたことをグラフでまとめましたので、参考ください。

項目 処分方法 注意点
神棚 自治体ごみ出し例 魂入れがなければ、自治体のごみ出しで可能(※神棚に魂入れのケースは稀。)
神具 自治体ごみ出し例 燃えないため、神社でのどんど焼きでの処分不可 (※ お塩で清めた後に、自治体のゴミ出し可能)
お札 神社返納 必ず神社に返納します。近くの「返納所」で返すことが可能です。(※ 遺品整理業者に代行依頼も可)

最後までご覧頂きましてありがとうございました。
今回は私たち遺品整理業者に、依頼されることが多い神棚の処分方法とお焚き上げ、お札の事例について解説させて頂きました。

神棚の処分方法にはいくつかありますが、もし遺品整理をお考えの際には、大型で特殊な形状でなければ、一緒に依頼することで料金がかからずに処分できることが多いです。

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当店では、元ホテルマンの店長が、ご遺族のご要望を丁寧に伺いながら、一緒に進めてまいります。
豊富なプランをご用意しておりますので、わからない点やお困りごと、不明点がございましたら、いつでも店長までお気軽にご相談ください。(情報提供者:内藤)

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