親の形見けをいつどのように扱い、次世代へ繋げていくか。その手順や方法に迷っている皆さまへ、遺品整理の埼玉中央店 内藤と申します。
こちらの記事では、親の形見分けについて、私たちの長年の経験を元に詳しく解説します。形見分けは、その後に行う遺品整理にも大きく影響します。
初めて経験する方で迷っている方が参考にできるよう、現場経験から実践的な知識と遺品整理業者だからこそ知っている、過去にあったお金のトラブル事例もご紹介します。
親の形見分けはいつ?時期
形見分けの時期には明確なルールはありませんが、一般的には忌明けの法要が済んでから行うことが多いです。いつ形見分けをするかは、遺族の気持ちや状況にもよります。
宗派別には仏教では四十九日法要後、神道では五十日祭の後、キリスト教では命日の追悼ミサの後に行われることが多いです。
ただし、日本での地域や宗派によっては三十五日法要を「忌明け」としている場合もあります。
近年では、近親者の都合などから葬儀場でお葬式直後に行う場合も増えています。
仏教の場合、忌中の四十九日間は故人を偲ぶ時期として形見分けのタイミングを避け、神道でも五十日経過後に行うのが一般的です。
形見分けの注意点とは?
形見分けは、故人を偲び、供養することが期待される大切な機会ですが、いくつかの注意点があります。
相続財産のトラブルを避ける
形見分けは本来、相続とは別のものです。しかし、遺産分割の手続き前に勝手に形見分けを行うと、特定の相続人が多くの相続財産を受け取ることがあり、これが他の相続人からの不満やトラブルの原因となる可能性があります。
特に、高価な価値の宝石やアクセサリー・貴金属など、換金性の高い形見分けはトラブルが発生する可能性が高いため、特に注意が必要です。
また、お金で形見分を受け取った場合は、110万円(年間)を超えると、相続税または贈与税の課税対象となります。
故人の生前の意志を尊重
遺言や故人の希望がある場合は、それを優先するようにしましょう。故人が生前に終活などで準備した意思を尊重して行う形見分けは、故人を供養するための重要な手段です。
また、故人が生前に事前に決めた希望や指示に従うことは、遺された家族や関係者にとって精神的な負担を軽減する助けとなります。
目上の人への形見分けは避ける
形見分けは、目上の人から目下の人へ贈るのが基本的なマナーです。目上の人に形見分けを贈る場合は、失礼がないように生前に本人の希望があった場合のみにしましょう。
また、包装せずにそのままの状態で贈ることが正しいマナーとされています。ただし、汚れが目立つ場合はきちんと拭き取り、しっかりした状態で贈りましょう。
相手の気持ちを考慮する
形見分けでは、相手にとって負担にならないふさわしい物を選びましょう。高価なものは控え、相手が喜ぶか不明な品物は避けて、受け取り手の気持ちを考えて選ぶことが重要です。
また、形見分けはお返し・お礼をしない対象品なので、受け取り手の心理的負担を考慮し、無理強いせず渡すことが肝要です。
遺品整理業者だけが知っているトラブル
遺品整理の現場でしばしば遭遇する意外なトラブル事例として、故人との親交が不明な人物からの突然の申し出が挙げられます。故人の知人や遠縁の親族など、遺族が知らない人が現れることがあります。
「生前に○○をプレゼントしてもらえることになっていた」などと言われることもあります。
特に、お金や価値の高い形見が絡む場合、故人との関係性が不明な人からの要求には注意が必要です。現金が絡むケースはトラブルが発生する可能性もあるため、慎重な対応が求められます。
また、遺産や財産全般についても、同様にトラブルが発生する可能性があります。
逆のケースとして、お金を返しに来る人もいます。その場合は、身元の確認や借用書の提示を求める方法があります。
特にお金の金額が大きい場合や、相手が怪しげな印象を与える場合には、トラブルを避けるために安全を確保し、警察に届け出ることが推奨されます。
そして、お金以外では、介護ホームの遺品整理で、「生前、○○さんからアクセサリーをもらう」約束をしていた。お隣さんから請求の申し出があることがあります。
こういった場合は、「いつ頃なのか?」生前の約束は分からなくても、現金や高価な価値でないような場合は、遺族の方がお隣の方に形見としてプレゼントすることが多いです。
親の形見が決められない辛さ
では次に、遺品整理業者の立場として、親の形見が決らないと整理が進まなくなるケースをご説明します。
「親の遺品が捨てられずに、3年間経ちました」
今まで2150件以上の作業を行いましたが、ときどき遺族の方より、伺うこともあります。
その理由の1つは、「生前はしばらく親が使っていなかった母親の洋服・着物・衣類・父のスーツなど」子供にとって不要に見えていたものまでが、遺品になった途端に光景が変わるからです。
遺品の処分は感情的に難しく、そこに「形見分け」が進まないと整理が滞ることがあります。
ご参考コラム: 亡くなった母の服 捨てられないときの対処法
以前に作業をさせて頂いたお客様の話をご紹介します。
「両親が使っていた、洋服などの遺品を業者にゴミのようにガサガサと扱って欲しくはない。 そう思って、母の遺品整理を片付けられずに、処分することに躊躇してました。」作業後に、頂いたアンケートの最後の文章にありました。
⇒ 遺品整理の実績ページに、お客様からいただいた感想を掲載しています。
アンケートを頂いたさいたま市内の方の実家に見積もりで伺った際に次のようなことを伝えられました。
1.親の遺品を見るたびに、両親との思い出が蘇ってきて、胸が締め付けられる思いがした。
2.何を形見にしていいか、決まらないなかで遺品の処分を進めていたときに、親がいなくなってしまった喪失感が押し寄せてきた。
3.実家に戻って遺品を見ると未だに親がいるような気持になって処分がつらかった。特に親が生前に大切にしていたアクセサリーを見ると、その気持ちは一層強くなった。
そのため、実家は誰も住まなくなって、3年近く月日が経っていると現地で伺いました。
(※画像はイメージです。)
「今まで気持ちが気持ちの整理がつかなかったのですが、今回実家を売却する事に決めたため、遺品を処分することにしました」その様に伺いました。
お客様がかつて使っていた部屋に入ると、亡くなったご両親の愛情が伝わってきました。
娘さんが正月等で実家に訪れた際に、いつでもくつろげるようにと部屋の中が、「綺麗に整理されていたからです」その光景を見て、子供を想う気持ちがよく伝わってきました。
形見が決まらないと遺品整理が進まない
そういった光景と親との想い出が残っているリビング、押入れ、クローゼット内にある母親の洋服などを見ると処分出来ずに「遺品整理が先延ばし」になることがあります。
親の形見が決まらないと思い出が詰まっている遺品を見ると整理する申し訳なさを感じるからです。
実は、私自身も33年前に父親の遺品整理を経験した際に、同じ気持ちになったことがあります。
親が残した膨大な遺品を目のあたりにして、どのように形見を探すのか呆然としていた記憶が遺っているからです。
親の形見分けの具体的な方法
ここまで、形見分けが決らないと遺品整理が進まない背景をご説明しました。それでは具体的な方法について解説します。
親が残してくれた形見は、家族間で大切に受け継がれるものです。ただ、具体的な探す方法を知らないと、思い出深い品々をどのように分けるべきか迷ってしまうことがあります。
形見分けは、ただ品を分けるだけでなく、感情や思い出を共有し、故人の意志を尊重する行為です。
まず、全ての遺品を整理し、カテゴリーごとに分けることから始めます。
次に、各家族の希望やニーズを聞き、誰が何を持ちたいかをリストアップします。もし意見が合わない場合は、公平に分ける方法を検討しましょう。何よりも、亡くなった親の意向や思い出を大切にしながら、家族間でのコミュニケーションを密に取ることが大切です。
以下に手順をご説明します。円滑に進める上で参考になさってください。
形見分け手順と家族間の公正な分配
1. 遺品の準備:遺品を一箇所に集め、大きなカテゴリーに分けます。例えば、宝飾品、アクセサリー、小物、コレクション、時計、家具、衣類、写真などです。
2. 家族ミーティング:関係する家族を集め、各人の希望や考えを共有します。この段階で、特定の遺品に対する感情や思い出を尊重し合うことが重要です。
3. リスト作成:家族の希望をもとに、具体的に誰がどの遺品を受け取るかのリストを作成します。
4. 公平性の確認:すべての家族が納得できるよう、リストを再確認します。必要であれば、第三者の意見を取り入れることも検討します。
5. 形見分けの実施:最終的なリストをもとに、実際に遺品を各家族に渡します。
この手順に沿って、親の形見分けを進めることで、適切かつ円満に遺品を受け継ぐことができます。
形見分け親の想いを汲み取る基準
親の形見を選ぶ際に感情的になりがちですが、ある程度の基準やポイントを設けることで、その過程を少しでもスムーズに進めることができます。
以下に、親の形見を決める際の参考となるポイントをご紹介します。
生前、親が気に入っていた品を思い出す
「生前にご両親が気に入っていた品、趣味・外出先にでるときによく使っていた品」を思いだしてください。
直ぐ思い浮かばなくても、周りを見渡すと必ず何かがあります。
また、見つける際には3つの方法があります。
1.親が写っている写真やアルバムを見て、身につけていた衣服やアクセサリー、好きな食器や家具などを思い出すことができます。
2.親の部屋やクローゼットを見ることで、愛用していた衣服や靴、バッグなどを思い出すきっかけになります。
3.日記や手紙があれば、親がいつどのような物や場所に思い入れがあったか、生前にどのような生活を送っていたか知ることができます。
2.兄弟・親族に思い出を聞いて見る
よく遺品整理の現地に「叔父さん・叔母さん」が訪ねて来ることがあります。
すると親が子供の時に好きだったものや、親族の人に話していた思い出の品など、兄弟姉妹が知っていることがあります。
それまで決められなかった形見が、叔父・叔母さんの一言で、その場で決まったり、叔父・叔母さんに形見分けで渡したりする光景を何度も目にして来ました。
そのため、一人で決められないときには抱え込まずに、親族・故人が親しい関係だった友人などに聞いてみてください。
● まとめ
親族や親しかった人達は、亡くなった親に関する貴重な情報を多く持っています。特に思い入れを持っていた物や、好み大切にしていた写真など、想いや思い出を知るためには親族に尋ねることが効果的です。
そのため、形見分けに迷った場合には、法事の機会に親族に相談しても良いでしょう。この過程は、親族間のコミュニケーションを促進し、共に亡くなった親を思い出す機会となります。
親族同士が思い出を共有することで、コミュニケーションが活発化し、家族の絆が強くなることもあります。
改めてお伝えすると遺品整理が先延ばしになる、最大の理由は「両親の遺品が捨てられない」からです。
その状況で、両親が気に入っていた遺品が見つかると「形見分け」の基準も明確になるので気持ちの変化が訪れることが多いです。
そして形見分けが決まると、少しづつでとはいえ気持ちの区切りがついてくる時期が来ます。
遺品整理は、故人を偲ぶ家族にとって大切な意味があります。それには、まず周りの人と相談して進めるようにしてください。
遺品整理で知っておくべき知識
遺品整理は、多くの方が初めて経験することになるので、具体的な手順、開始時期の判断と注意点について詳しく知る機会が少ないのが現状です。
これは多くの人々が直面する問題ですが、公に語られることはあまりありません。
そのため、こちらの記事では、今まで2150件以上の作業を行ってきた経験豊富な店長が、遺品整理の実際のプロセスや進め方、そしてそれを支援するサービスについて、具体的に解説していきます。
また、『遺品整理で捨ててはいけないもの・処分しない方がいいもの』、『遺品整理業者に依頼する際のメリット・デメリット』まで、お伝えします。
遺品整理は感情的な面と物理的な面の両方で複雑な問題となります。しかし、その全てを一人で抱え込む必要はありません。
当ブログ内のコラムは、故人の遺品をどのように扱うべきか、皆さま方の疑問点に役情報になることを目的にしています。大切な故人の遺品処分にお困りの方が安心して対処できるよう、どうぞご活用ください。
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