近頃増えているお問合せに「実家の荷物整理」に関する生前整理のご相談です。
多くの場合、ご両親が実家を引っ越して別の場所で生活を始める際に、実家を片付けて荷物の整理を行う必要があることや、ご自身が生きているうちに自分の荷物を整理したり処分することが目的とされています。
当店にご依頼があるのは、ご自身が生きている間に自分の荷物を整理したり処分する」ケースもあります。
こちらでは、マンガで生前整理のことをお伝えした後に、どのような状況で「実家の荷物整理」と生前整理が必要なのか、メディア取材事例を入れてご説明します。
よく大手メディアで「生前整理」取材依頼があります。
婦人公論では、相談がある状況・ご両親が生前に「今後実家をどのようにしたいのか?」などの取材がありました。(Q3遺品整理の埼玉中央 内藤 久)
『婦人公論』1477号より
マンガでも触れましたが、よく見られる典型的なケースは、実家のご両親が、現在住んでいる実家を離れ、介護施設や老人ホームに移り住む際に、家の中の家財道具や思い出にまつわる大切な持ち物を片付けて処分する必要がある状況です。
このような生前整理は、ご両親にとって人生の大きな転機となる出来事のため、進め方には工夫が必要です。
これまでの人生で培ってきた家庭の荷物と思い出を整理する過程で、感情的な部分が大きく関与することがあるからです。
そのため、進める際は、ご両親の気持ちを尊重し、過去の思い出に触れることができるように注意を払うことが大切です。
実家の生前整理を進める、注意点
まず重要な点として、実家に暮らす両親は、家にある品々に対して、数多くの思い出が詰まっていると感じていることを認識する必要があります。
そのため、家族や子供が率先して「捨てる」と言ってしまうと、逆に親が抵抗感を持ち、なかなか進まなくなることがあります。これは実家の片付けと同じです。
生前整理と実家の片付けの違い
ただ、「生前整理」と実家の片付けと違う点は、ご両親も全ての荷物を、介護ホーム等の新居先に持ち込むことは出来ないことを理解しています。
具体的な進め方としては、まずはご両親と一緒に家財を一つずつ見ていくことがお勧めです。
その際に、話をじっくり聞きながら、その物にまつわる思い出やエピソードを共有することで、共感を得られることが多いです。
大切な思い出の品を一部残すことを提案し、その他の物は処分することで、ご両親も納得のいく形で進められることでしょう。
以上のように、実家の生前整理を進める際は、ご両親の気持ちを尊重し、家族で協力して進めることが大切です。
実家から介護施設への引っ越し
※これまでにご紹介させて頂いたケースは、実家のご両親が、今の実家を出て介護施設や老人ホームに引っ越すときの最も多い事例です。
逆に、マンガでご説明させて頂いた「介護ホーム」から自宅に戻るようなときは、両親の部屋に介護ベットを入れることが多いので、「荷物を整理した後のスペースや状況が快適になることをイメージ」してもらうことも、前向きになるポイントです。
実家の荷物整理のポイント
次に、実家の荷物整理では、大切な要素があります。それは、災害に対する備え・転倒防止対策です。
こちらで、進め方をご紹介する理由として、先ほどお伝えした通り、生前整理の際に「実家の両親は家にあるものに対して、多くの思い出が詰まっていると感じている」とお伝えしたからです。
そのため実家の荷物を整理する際には、ご両親に「災害対策や転倒防止」といった安全面への配慮を話題にすることが、より効果的です。
具体的には、実家の荷物を整理するにあたって、まずは家の中で安全確保が重要であることを伝え、両親の理解を得るようにしてください。
さらに、災害時や日常生活での転倒リスクを減らすために、不要なものを片付ける重要性を強調し、片付けを進める上での基本的なポイントをお伝えすると良いでしょう。
これにより、ご両親も安心して片付けに取り組む可能性が高まります。
1つ目の災害に対する備えは、家具の上にモノが置いてあると、地震の時にモノが落ちてくることがあるので危険です。
また床にモノが置いてあると、火災などで外に出る状況で転倒の危険があります。
2つ目は、普段からの転倒防止です。
65歳以上の方が、転倒した場所で一番多いのは、自宅が48%を占め、最も多い場所になっています。
(※ 消費者庁の最新データ2020年10月8日より)
自宅内の転倒事故が、一般道路の2倍と言われています。
そのため、足元にモノがあると「滑る、つまずく 、引っ掛かる」があるので、危険です。
実家に家財などの上にモノが置いてあったり、床にモノが置いてある場合には、ご両親に注意を促してください。
▼ 実家の荷物 生前整理ご参考動画
また、お盆休みを利用して実家に帰省した際に、明らかにいらない物を捨てることを目的とした実家の生前整理する場合の手順は、その場合の手順は、玄関→廊下→トイレ→浴室→台所→リビング→寝室の順です。
「初めに」玄関を片付ける理由は、繰り返しですが、災害などで外にでる際に玄関に物が多いと、いざというとき暗闇などでつまづくこともあり、廊下を片付けるのは床にモノがあると転倒などの危険もあるからです。
実家の荷物整理のまとめ
実家の荷物整理は、単にスペースを空けるだけではなく、高齢の両親が安全で快適に生活するための大切な作業です。
整理を通じて、転倒や災害時のリスクを減少させることができ、両親がより安心して生活できる環境を作り出すことが可能です。
両親とのコミュニケーションを大切に
両親との対話を大切にしながら、実家の荷物整理を進めることで、両親にとっても大切な経験になります。
最終的には、整理された家は、両親にとって安全で快適な生活空間となります。
専門家の支援を受ける場合
近年、自分の部屋を明け渡すために、ご家族や親戚の方、また場合によっては司法書士や行政書士の後見人の方から、依頼を受けることも増えています。
士業の方から依頼が多い理由は、依頼者が将来的に認知症になる可能性を考慮し、生前にご自分の意志を反映した形で財産や持ち物を整理しておくことがあるからです。
遺品整理と生前整理の違い
こちらでは、亡くなった方の部屋を片付ける「遺品整理」と、ご本人が健在な状態で行われる「生前整理」との違いをお伝えしました。
疑問点や不明な点がございましたら、お気軽にお問合わせください。
喜んでお手伝いさせていただき、最適な解決策を提案させて頂きます。(店長 内藤)